大学教員が書いた就活・転職活動のお守り

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学生の皆さんと接していると触発される

教えることは、教えられることと同義

 

教える立場に立って分かるのは、自分の知らないことが沢山あり、教える対象の学生の皆さんの活動の様子を見ている時に、色々なことを教えられるということです。これは実際にやってみないと気付かないことで、それも、教育に対する意識の高い人しか気づかない点です。

 

この点に気づいてくると、一方的に教える講義形式のものが、教育のほんの一部分にすぎないと分かります。むしろ、授業外の対話の中にこそ、本当の意味での教育があるということに気が付きます。

 

学生の皆さんが、何かの質問に来た時に色々話すなかで本論から脱線する時に話すことが、その人の人生を変えるきっかけになったりすることもあります。人によっては、4~5時間ぐらい話込むこともありますが、それで、その学生の皆さんの人生が飛躍的に良い方向に向かうことになれば、それは、非常に価値のあることです。

 

そのような対話の時には、私も、色々なものを逆に貰っています。例えば、前向きな話をしている時に発せられるエネルギーを貰ったり、こういう学生もいるのだなという新しい発見であったり、全員が自分の人生をよりよいものにしたいと思っているのだということを改めて実感してみたりすることもあります。

 

すると、教育の場では、奇をてらうのではなく、まっとうなことを、明るく前向きな気持ちで真正面から取り組んでいける状態を作り出し、そこで、概念や専門知識を始めとする情報に触れさせるように仕向けていくということが大切なことであり、それをどれだけ徹底していくかということだと気づきます。教育にはイノベーションというものは必要ではなく、イノベーションを創出できる人を育成することが目的であり、その人が送ってきた人生の中にその種があり、それを開花させることなのだと思います。

 

イノベーションは、その人ならではの人生を追求する結果必然的に生まれてくるものであり、テクニックで生み出すようなものではないということが分かると、教育の方法も、テクニカルなものに傾倒せずとも、伸びていく学生を沢山輩出することはできるのです。

 

学生が伸びていくのを目の当たりにすると、教員の側もそれに触発されて頑張っていくという良い循環が生まれるので、その最初の循環を作って、それ以降の循環を半自動的に回っていくような環境を作り出すことが必要です。その環境を外から見た様子が、いわゆる校風のようなものあり、それぞれの教育機関が独自に作っていくべきものだと思います。

 

その環境を作り出すことが出来れば、大枠の教育の提供と個別教育の実現を、ある一定のコストで実現することが可能になってくると思います。