大学教員が書いた就活・転職活動のお守り

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一度に全部変えるしかないこともある

積み上げ式で一つ一つ別個に考えると出来そうにないと感じることもある

 

何かを変えようとする場合、個々の改善点を洗い出して個別に変えようとすることで問題ないことも沢山あるので、そのような場合は、そうすればよいと思います。それは、他の要素と関係ないクローズされた範囲の事柄が多いと思います。

 

しかしながら、個別に反対意見が出て、どうしても変えられない場合には、全体を1つのパッケージとして提案し、一挙に変えるしかないこともあると思います。特に、現状維持バイアスが強く作用場合には、この方法しか変えることが出来ない場合もあると思います。

 

コロナ禍になって加速している企業のDX化を推進しようとしても、なかなか進まない企業においては、このような方法をとるしかない場合もあるように見受けられます。

 

現状維持バイアスは打破するのではなく、くぐり抜けるもの

 

現状維持バイアスの状態は、個別利益を優先するために発生する場合が多く、理論的・合理的な説明で納得させることは難しいです。全体のために正しいことをするという視点で説明を行っても、そもそも視点が異なる為に、とりつくしまがない感じになります。

 

そのため、それを打破しようとすること自体が全くの無意味になったり、もっといえば、逆効果となり、反発力を増幅させる効果になるかもしれません。そのため、そのような視点ではなく、誰とも戦わずして推進するという発想が必要になってきます。

 

その方法として考えられるのは、本来の目的を明示せずに推進する方法です。本来の目的ほど大きくない小さな目的を明示しておき、それに賛同する人たちのみで暗黙的に推進を開始していき、結果が出て効果を明示できるようになったものを、新たな提案のような形で説明をしながら、マインドを変えていく方法がよいと思います。

 

その説明の段階では、既にできていることを説明するので、非常に具体的で説得力のある説明をすることが可能となるために、それを聞いている人も賛同しやすくなります。そのような形で、実際は実現されていることを後から提案することを、最初の段階では行います。

 

聞いている側としては、提案されたことが確実に実現されていき、それに賛同する人も少しずつ増えていくので、何となく反対しづらくなっていき、最終的には賛成するというようなことになるという寸法です。

 

有限実行を地でいく人は、ごく少数派ですので、口では変化することをいとわないようなことをいう人でも、実際に踏み出す段階では躊躇して踏み出せないことが多いです。特に現状維持バイアスが強い場合には、そのような人の方が多数派となるので、正攻法の進め方では失敗する可能性が高くなります。

 

その場合には、ある時点までは水面下で行動していき、タイミングを見計らって一挙に変える方法をとるしかありません。倒産間近の企業で、奇跡的なV次回復を実現した場合には、おそらく、そのように推進した人がいるのではないかと推測します。

 

もともと成功すると分かっていたことを、危機のタイミングで一挙に実行したのだと思います。そのような人が居なかった場合には、破れかぶれの方法で成功することもあり得るとは思いますが、それほど甘くはないので、結局、倒産の憂き目にあってしまう可能性高いのでしょう。