大学教員が書いた就活・転職活動のお守り

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就職指導の最終段階は依存心を減らす対応を行うことが重要

未知のことにチャレンジする時には、最初は他の人の力を借りるとよい

 

就活に限らず、未知のことにチャレンジする場合は不安がつきものですし、分からないことが多すぎで時間を無駄にすることが多い為、最初の段階は、経験者の指導を受けることが出来る場合には、受けた方が得策です。

 

最初から自分独自の方法を模索すると、成長のスピードが遅くて、挫折してしまう可能性もあります。また、自分の力のみで行うことが、独自の価値を確立することに繋がるというような発想に落ちいりがちなので、自分に酔ってしまう発想になってきます。すると、状況を客観視して、適切な対応を行うことが出来にくくなり、結果として、良い結果に繋がらない可能性があります。

 

最初は、実績を残した他の人の力を借りることが重要なのは、そのような理由があります。

 

しかしながら、ある程度のことが分かり、余裕が出てきた段階では、他の人の指導を受け続けることが、逆に、成長する機会を奪うことに繋がります。それは、その指導的立場の人への依存心が残っているからです。

 

依存心があると、分からなくなったらその人に聞けばよいという発想になり、自分の頭で物事を考えなくなり、結果を自分の責任として受け入れることが出来ずに、その指導者へ責任を転嫁する発想に陥る可能性があります。

 

ある程度の段階に到達したら他の人に頼らず自分で試行錯誤する意識が必要

 

つまり、依存心があると、他の人へ保証を求める心境になり、自分の行動の中のマイナス点について言い訳をするようになり、ある程度の成長をした段階で、頭うちのプラトー状態になってしまうのです。

 

その段階になると、保証を求める心を制御して、自分で試行錯誤することがなによりも大切になってきますので、就職指導の場合でも、その意識が重要です。就活本番前の準備期には、色々なことを説明して丁寧に指導していきますが、本番期に近づくにつれて、指導量を減らして、少し距離を置くようにしていきます。

 

丁寧に指導していると学生の皆さんに頼られるので、自分も意気に感じて、何もかも丁寧に指導したいという欲求が出てくるのですが、その状態をずっと続けることは、学生の皆さんにとっては、実は、よくないことなのです。

 

そのようなプロセスを経ていくことで、学生の皆さんは、自分の責任で判断するようになっていき、その成長が、最終的に、良い会社へ内定に繋がるのだと、私は理解しています。

 

会社側も良い人材を必要としていますので、自分の頭で考えて行動できる人を沢山とりたいと考えているのです。

 

しなしながら、中には、依存心がどうしても捨てきれない人がいますので、そのような人には、少し冷たい対応することがあります。特に、質問する際に、自分で考えたことを明示してアドバイスを求めることをせずに、細かいアドバイスを沢山求めてくる場合には、早急に、自律を促す必要がありますので、アドバイスをせずにヒントのみを答える対応に変えていきます。

 

その時点では、その学生には、「急に対応が冷たくなったな。」と思われると思いますが、後になって分かってくれることを信じて、あえてそのような対応をします。

 

通常の学生の場合、就活の本番に入っていくと、段々と自立心が芽生えていくので、アドバイスを求めてくるのも、段々と、どうしても分からないことだけになっていくのですが、中には、そうならない人もいるので、その場合の対応はきちんと行うことが重要です。

 

指導の最終段階では、このような自立のフェーズがどうしても必要になってくるのです。指導している側も、少し寂しい気持ちになるのですが、そこをグッと堪えて、距離を置いて見守ることに徹する必要があります。この重要性を理解していない指導者も多いので、ここで説明をしてみました。