大学教員が書いた就活・転職活動のお守り

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質問の仕方に自主性や実力が見てとれる

「分からない」としか言わない心理

 

勉強や仕事などで「分からない」とだけ質問する場面に遭遇することがあります。現在の私の立場が大学の教員ということもあり、「分からない」とだけ言われることもしばしばです。そのような時には、掘り下げて私の方から質問をしていくことで、何が分からないかを確認していきます。しかしながら、このような時には、「このような質問をしなくてならない状況で大丈夫なのか?」と心の中で少し不安に思っています。

 

「分からない」とだけ質問する状況を考えてみると、何でも相手にして貰って当然という心境が見て取れます。これは、その本人の問題というよりも、生きてきた環境がそのようなものだったので、自分から細かく説明することが必要でないという時期が長くあったのだなと思います。

 

私自身のことを振り返ってみても、学生時代や社会人になってから数年ぐらいは、そのような意識が抜けていなかったように思います。自分を変える必要性を感じてから、徐々にそのような意識が抜けていって、「自分から説明しなければ誰も分かってはくれない。」というあたり前のことを痛感するようになりました。

 

自分から説明しないで単に「分からない」と質問することが、社会に出た後は、通用しない考え方・態度であり、自己中心性が抜けない自分勝手な態度であるということに、私自身も気づいていなかったです。

 

 

詳細で具体的な質問が出来るようになると自主性・自律性が育ってきている証拠

 

私が学生の皆さんの指導の際に最重要視している点は、「自主性・自律性」です。それが備わってきているかどうかを確認するポイントとして、質問してくるときの内容が詳細でかつ具体的である場合には、それらが備わってきている証拠だという見方をしています。

 

もちろん、勉強の範囲だけなので、それ以外の場面ならそのような質問をするというような人もいると思いますが、少なくとも意識としては、自主性・自律性が備わってきているといえると思います。

 

自主性・自律性がある程度育ってくると、無意識的に詳細で具体的な質問の仕方が出来るようになってきます。このような段階になってくるとしめたもので、自然にしているだけで、持続的な成長が出来るような素地が出来てきます。

 

この段階になった後は、自分の説明を受ける相手側のことを考えながら説明をすることが出来るようになると、更に高いステージに立てるようになると思います。

 

先程までは詳細な説明が良いと説明していましたが、それは、自分本位の簡略化した説明がよくないので、それと比較するならば、詳細な説明の方がよいということでした。

 

そのようなことが出来るようになった後は、相手が知りたいと思われるポイントに対して、簡潔な説明で分かって貰えるようにすることが重要になってきます。詳細で長い説明だと、忙しい人や興味がない人は聞いてくれません。そういった人にも聞いて貰えるように、完結で分かりやすい説明が出来ると非常に良いです。

 

詳細で長い説明は、誰でも努力すれば出来るようになりますが、分かりやすく完結な説明は、なかなか難しいですし、事前の準備も必要になってくるので、誰でも出来るようになるかというと、そうでもありません。

 

その説明対象となる分野の理解がある程度の水準を越えてはじめて、分かりやすくて簡潔な説明が出来るようになる素地が出来てきます。その上に、説明に関するスキルが要求されるという話になります。