大学教員が書いた就活・転職活動のお守り

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チームリーダーは優秀な教育者でもある

長所も短所もその人の特徴を表現したものである

 

人には、長所や短所と言えるものがあると信じられており、就活でも自己分析の中で長所や短所を洗い出す作業を行うと思います。

 

しかしながら、長所や短所は、その人の特徴がある場面でクローズアップされた場合に使われる表現方法です。例えば、「背が低い」という特徴は、バスケットボールのゴール前では短所になりますが、ドリブルで相手をすり抜ける場面では長所にもなります。同じ競技内でも、場面によって、短所になったり、長所になったりまします。

 

この点は、よくよく注意して考えないと盲点となりますので、常に、思い込みを無くすために強く認識しておく必要があります。人材を育成するという場合には、特に注意が必要です。

 

特徴を生かす方法や場所があれば長所になる。

 

したがって、「背が低い=短所」と思いこむのではなく、「背が低い=特徴」と考えれば、その特徴を活かす方法や場面を考えるという発想になり、活かす方法や場面が見つかれば、長所に変えることが出来るということです。

 

多くの人は、短所と思った瞬間に、ずっと短所と思い続ける発想に陥りがちですが、そんなことはありません。前向きに生きている状態であれば、そのような発想が出来るようになってくると思います。

 

逆に、長所と考えて、それ以降長所と思っていると思わぬ弱点になりかねません。例えば、若い年代の時には、ポリシーを持つことで、勢いのある考え方や行動の仕方が出来るようになるので、ポリシーを持つことはよいことだと思っていたのが、ある一定の年齢を超えてもそのような考え方・行動の仕方をしていると、視野狭窄の頭の固い人だというマイナス評価される可能性があります。

 

 

若い年代の時には、自分がプレイヤーとなって、成果を上げることに集中すればよいので、ポリシーを持つことがよい方向に向かう手助けとなる可能性があります。しかしながら、ある一定の年齢を超えると、自分のチームを持って、そのメンバーが自律的に動いて成果を上げて貰うように手助けをして、チームの成果を最大化することが仕事になってくると思います。

 

その時には、沢山の人の特徴を理解して、力を発揮して貰う方法を考えていく必要があります。その時に固定観念に縛られた考え方しかできないと、それが出来なくなってしまいます。

 

特徴=長所 と考えて、他の人を自律的に動けるように仕向けていく必要がある

 

自分と他の人は違う人なので、それぞれ特徴が違ってきます。特徴が違ってこれば、得意なことも違ってくるので、出来るだけ得意なこと組み合わせる形で長所を活かす方向で仕事をして貰った方がよいと思います。

 

得意なことであれば、自ら創意工夫して活動出来るようになり、自律性が高い状態になってきます。そうなると、自ずと結果に結びつき、自信がついてくるので余裕も出てきて、他の人と協調して仕事をすることが段々と出来るようになってきます。良い循環が生まれてくると思います。

 

このような形で、他の人を自律性の高い状態に導いていく能力は、チームリーダーに必須の能力となります。沢山の人を自律性の高い状態に導くことが出来れば、個々のメンバーの能力も向上しながら、協調的なチームプレーを高いレベルで実現できるチームが作れるようになります。これが組織運営の本質であると思います。

 

自律性の養成に必要なことは何か?

 

自律性を養成するには、まず、仕事を任せて、答えを簡単に教えないことが必要です。これは、教育の場面でも同じです。そのことによって、自分で考える時間を作りだすことが必要です。仕事の場面では、成果を出しながら、このような配慮をしていく必要があるので、大変ですね。

 

次に、自分の方針をきちんと明示して、その方針が出来るだけぶれないようにする必要があります。そのことにより、自分の判断がリーダーの方針に沿ったものかどうか、各メンバーが自分で判断できるようになるので安心感を持ち、仕事のやり直しのリスクを減らすことが出来るので、各メンバーが自分で動ける範囲が広がります。

 

ある意味の権限移譲ですが、これがないとリーダーが全て判断しなくてはならなくなり、リーダー自身がボトルネックとなって、チームの足を引っ張ることにもなりかねません。

 

そして、成果を出した時には一緒になって喜び、上手くいかない時には、解決のヒントにつながるポイントを提示することです。

 

こう考えると、優秀なリーダーは、優秀な教育者の側面を持っている必要があると分かると思います。