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文系のキャリアプランを考える(事務系職種編)

事務系職種は最初に入社した会社に長期間いるつもりでいた方がよい

 

事務系職種(総務・経理・広報など)は、女性の場合は、多くの人が希望する職種です。男性でも安定志向が強い人は、希望することもあると思います。

 

事務系の職種は、会社の間接部門(=利益に直接貢献することがない部門)での勤務であるために、直接部門(=お客様に対応して利益を上げる部門)と比較すると、仕事の強度は低めになるといってよいと思います。

 

もちろん、部署や仕事内容によって、あるいは、優秀で仕事が集中する場合などは、大変になることがあるのは承知していますが、全体的にはそのようになるといえると思います。

 

その為、安定志向の強い女性を中心に、非常に人気が高く、倍率は非常に高くなります。そのため、一流企業の事務職などは応募が殺到して、ハードルが非常に高くなります。

 

そのような状況で、仕事も負荷がそれほど高くない場合が多いので、長期間仕事を続ける人が多く、離職率が直接部門と比較すると大分低い数値になると思います。

 

間接部門の仕事は、直接利益に貢献する訳ではないので、人数を増やすという発想は基本的にはないと思った方がよいです。間接部門の人数を増やすと、その分だけ会社の利益が減ることになりますので、逆にいうと、人数を減らすと会社の利益が増えるため、常に員数を減らす力が働くと考えた方が現実的です。

 

例えば、個人情報保護法などの法律が新しくできて、それに対応する業務が新規に発生したなどの場合は新しく増員するということはあり得ますが、何も変化がないのに人数を増加されることはありません。

 

その為、退職が出た場合の補充として、新卒・中途に関わらず採用するという発想になることが多いと思います。その結果、新卒・中途でも採用時の倍率は非常に高くなります。

 

更にいうと、会社のランクが上がれば上がるほど、採用の倍率は上がると思った方がよく、応募する人のレベルも上がってくるので、中途採用で会社のランクを上げることが、よほど何か特別なものをもっていないと難しいと思います。

 

もちろん、これは統計的なものの考え方なので、個別ケースとして、そうではないということもあるとは思いますが、その場合は、本人が余程頑張って目立った実績を上げることが出来た可能性が高いと思います。あるいは、非常にラッキーだったかです。

 

会社の言う通りに普通に働いていた場合には、転職では、会社のランクは下がることになることが多いと思います。会社のランクが下がっても、働きやすい会社で自分に合っていたので良かったということはあると思いますが、環境面・条件面が良い会社の多くは、安定的に業績が良い会社である場合が多いので、会社のランクは上げた方が一般的にはよいと思います。

 

したがいまして、一般論として、事務系職種の場合は、最初の会社で出来るだけランクの高い会社に入って、そこで長期間働く方がよいと思います。

 

事務系職種に向いている人はどのような人か?

 

民間企業の経験、あるいは、就職指導での経験を踏まえて申し上げますと、事務系職種は、以下のような特徴を持つ、バランスがとれた欠点の少ない人が向いていると思います。

 

・コミュニケーション能力が高い

・相手の立場にたつことが出来る

・協調性が高い

・計画的に物事を進めることが出来る

・継続力がある

 

このような特徴があり、そのレベルのばらつきが少ない人がよいと思います。直接部門の場合は、他社との競争がありますので、特徴・能力にばらつきがあっても、尖った能力を持っている人の方が役に立つ場面が多いので、多種多様な人材を欲しがると思いますが、事務職の場合は、同じ部署で働く人と協調して部署全体の仕事に貢献できる人が必要とされると思います。

 

上記の特徴を持つ人は、学校の成績もよく、アルバイトやボランティア活動などもバランスよくこなせるタイプの人が多いです。また、感情も安定している人が多く、突破的な事柄に対しても落ち着いて対応できる人が多いです。

 

事務職で働く上での注意点

 

直接部門の仕事は、お客様からのお礼の言葉があったり、お客様からの信頼を勝ち取ろうとする気持ちが起きたりするなど、自分の外からの刺激を上手く活用することで、モティベーションを上げていくことができます。一方、事務職の仕事の多くは相手の顔が見えにくので、モティベーションを保つことが難しい側面があります。ここが一番難しい点です。

 

人にはそれぞれ性格があり、外からの刺激がない所でも、計画的に物事を進めていくことができる自律性の高い人でないと、長期に渡り事務職として高いパフォーマンスを上げることが難しいと思います。

 

事務職は、直接部門程の仕事の強度がないことが多いので、一見楽そうにみえますが、それほど甘いものでではないと思います。私自身は純粋な事務職として働いた経験はありませんが、事務職の人の話を聞くと、モティベーションを持ちにくい中で苦労している話はよく聞きます。

 

したがいまして、モティベーションの部分は、自分で意識してあげていく必要があり、人の話を聞いたり、本を読んだりして、仕事の中で意味を見出していく努力が必要になってくると思います。このようなことを自ら自律的に行える人でないと、やりがいを見出すことが出来ないので、長期間働くことが難しくなってくると思います。

 

逆にいうと、自律性の高い大人な人であれば、長期間安定して働くことが出来る職種であると言えるでしょう。