大学教員が書いた就活・転職活動のお守り

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私自身が就活時に考えていたこと

専門性を身に着け自分に付加価値をつける考え方

私が新卒学生の時には、以前、書いたかもしれませんが、銀行の不良債権が大問題となっていた時期で、社会の雰囲気が非常に暗くて、社会全体が下の方に真っ逆さまに転落していくような印象を持っていた時期です。

その頃は、「会社に頼らず、自分のキャリアは自分で開け!」とか、「“寄らば大樹の陰”という考え方は捨てなさい!」などと、いろんな所で言われていました。世の中の多くの会社に余力がなく、いまにも潰れそうな状況でしたので、大手の会社に入れる人が、ごく少数でしたので、そのようなことを言われていたのだと思います。

私自身も、多くの皆さんと同じように、自分が何をやりたいのかを考えてみましたが、結局、就活をする時には、何も見つかりませんでした。

元々、スポーツをメインで生きてきた人生なので、その分野も考えましたが、現在よりももっとスポーツ関連の事業が少なく、将来的な展望が持てませんでした。学校の体育の先生になるか、再度、専門学校に通って理学療法士のような職につくとか、限られた範囲のものしか思いつかず、別の道を探すことにしました。

理科系の分野の科目が得意でしたので、自分に付加価値をつけるという意味でも、そちらの分野での職が良いと思いましたので、色々探しました。そこで、専門的な勉強をしていなくても、ソフトウェアの世界ならば、文系でも採用になるということでしたので、その分野に進むことにしました。

世の中全体が先ほど説明した雰囲気でしたので、会社に頼らなくても生きていけるようになりたいと思っていました。正直な所、それ以上深く物事を考えずに、なんとなるだろうと甘い考え方だったと思います。

大手の会社だと職種を限定できなかったのであえて子会社にいった

その当時は、大手の会社ではほとんど職種別の採用を行っておらず、入社後に会社側が適性を判断し、営業職・事務職・技術職と振りわけている場合が非常に多かったです。そのため、そういった会社に入ってしまうと、自分の人生が自分以外の所で決められてしまうという意味で、私自身が受け入れることが出来なかったので、100%システムエンジニア採用の会社しか受けず、結局、大手電機メーカーのSI事業の子会社に行きました。親会社である大手電機メーカーは、受けることもしませんでした。

当時、周りの人で、そのような選択の仕方をする人はほとんどいなかったので、驚かれることもありましたが、長期的に見れば、そのことがよい結果をもたらすことになりました。もちろん、今のように、大学の教員になるとは、全く予想もしておりませんでしたが、明確な意図をもって、自分に専門性を持たせて付加価値をつけることの重要性は今でも感じています。

社会人経験者の意見をどの程度まで聞くべきか

これは、非常に難しい要素をいくつも持っていると思います。1つ目の要素として、その人の背景(生まれた家庭環境)や仕事で上げた実績を踏まえて聞くかどうかを考える必要があります。まず、その人の背景が、自分とあまりにも違う場合は、参考にならないので、その時点で多少から除外すべきだと思います。

お金持ちで、小さな子供の頃から教育にお金をかけてもらい、英語がペラペラで、学業も優秀、そして、親の会社の跡継ぎ候補であるというような人の話を聞いても、私たちのような普通の家庭環境に育った人にとっては、スタートラインが違いすぎるので、参考にはなりませんよね。

その上で、長期的に実績をあげ続けている人の話を聞くとよいでしょう。瞬間的な成功は、運が向けば、誰でも可能性はあります。しかしながら、継続して実績をあげ続けることは、考え方がしっかりとしていなければできませんので、そこは、重視すべきポイントだと思います。

この2点は、最低限、考えて話を聞く人を絞り込んだ方が良いです。

あと、2つ目の要素としては、リップサービスをどの程度割り引いて聞くかということです。仕事が上手くいってある程度の成功が得られてくると、大変だった頃の記憶が美化されてきて、話す内容が段々ときれいになってきます。聞く側としては、誰でも簡単に出来るように感じられますので、自分もその人のようになれると思えてきます。

しかしながら、それは、やはり甘い考えです。苦痛を伴う努力が大事だとは言いませんが、ある程度の成功を得るには、試行錯誤して行動する量は、かなりの膨大な量を結果的にこなすことになりますので、そこをはき違えずに話を聞いていく必要があります。

それから、3つ目の要素としては、その人だけが持っている固有の要素が成功の原因と考えることが出来る場合は、その人の話は、参考程度にするということです。

例えば、記憶力が異常に発達している人が、その能力をもとに難関の資格試験(例:弁護士・会計士)を突破して、その分野の仕事で成功したというような場合です。

この点も、家庭環境と同じで、その特殊能力を持った人の話を聞いても自分には、役にたつものではないでしょう。

以上のような点に注意して、何人かの人の話を聞くと、自分にとって必要となる事柄が見えてくると思います。

その上で、自分の固有な点(長所)をどのように生かしていけばよいのかを考えて、戦略を考えていけばよいのではないでしょうか。

就活も転職活動も、その人にとっては、大きなターニングポイントなので、自分なりの戦略を考えて、出来るだけよいチャンスを手にすることがよいのではないかと思います。