大学教員が書いた就活・転職活動のお守り

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感度を上げて生きることで道が開けていくかもしれない

感度を上げるとはどのような意味か?

 

よく「感度をあげる」と表現されることがありますが、これは、以下の2通りの意味があると思います。

 

・広い範囲で物事に興味を持つこと

・ある分野で掘り下げた興味の持ち方をすること

 

1つ目の「広い範囲で物事に興味を持つ」ですが、これは広い範囲のことに好奇心を持つことを意味します。好奇心のある人は色々なことに興味を持つので、広く浅い知識を持つことができます。もちろん広く深い知識を持つことが出来ればよいですが、時間は有限ですので、それは不可能なことです。広く浅い知識を持っていれば、世の中の動向がなんとなく理解出来る状態になります。これが重要です。

 

仕事をしていると、世の中の動向を考慮に入れながら、製品やサービスの内容を決めていくことになると思います。つまり、世の中の需要に応じた行動をしていくことになりますので、表層の知識で良いので、世の中を広く知る必要があると思います。

 

2つ目の「ある分野で掘り下げた興味の持ち方をする」ですが、これは、自分の専門分野に対する理解を深めていくという意味です。営業職や事務職、研究開発職、サービス職でも、自分の専門となる分野があるので、その職種の立場での理解を深めていく必要があります。

 

営業職であれば、自社の製品に関する知識や同じ位置づけの他社製品に関する知識などは必須だと思います。比較をしながら、お客様にメリットの大きな製品を提案していくために必要となる知識です。

 

事務職であれば、経理や人事関係では、業務に直結する資格などの勉強をすることで、ある程度の専門知識を得ることが出来ます。

 

研究開発職では、自分の分野に関する知識は、誰にも負けないように深堀した知識が必要となると思います。

 

サービス職では、サービス内容に関する知識、例えば、介護関係であれば、その分野の知識が必要です。更には、人間理解も必要なので、そのための知識も必要となってくると思います。

 

それぞれの個人の立場によって、どのような知識が必要か分かると思いますので、その知識は、常に勉強し続ける必要があります。

 

感度を上げるには、これらの2方向がありますので、その両方に対して、興味を持って勉強していくことが、「感度を上げる」という言葉の意味だと思います。

 

2方向の感度を上げることでT字型人生になっていく

 

先程の2つの方向の感度を上げることで、次第に、いわゆるT次型人材になっていきます。T字型人材というのは、広く社会の事を知る一方で、自分の専門性も持っている人のことです。つまり、ゼネラリスト的要素とスペシャリスト的要素を兼ね備えたハイスペックな人材のことです。

 

ゼネラリスト志向とスペシャリスト思考は、相反する要素を持っているので、両立することは難しいと思いますが、稀に、そのような人材もいます。

 

日本の企業では、大手企業になればなるほど定期的な移動が発生するのでゼネラリスト的な要素が強くなり、専門性を身につけることが難しいのでT字型人材にはなりにくいです。また、中小企業では、人材の余裕がないので、一人で何役もこなす人材が重宝されるので、同様に専門性を身に着けることが難しいです。どちらの場合でも、偶然、同じ分野の仕事を長期間した場合に、専門性を身につけることが出来るのです。

 

自分の専門性を深堀していきスペシャリストとなるには、自分の意志で複数の会社を渡り歩く覚悟を持って、キャリアを開いていくような生き方が必要になってくるケースが多いと思います。

 

会社側は個人の趣向に応じてキャリアパスを考える余裕がない所も多いので、自分で意図的に専門性を高める方法を模索する必要があります。そして、専門性を高めながらも、広く世の中のことを知っていく必要があります。

 

このようなT字型人生は、SNS全盛の現在の世の中で、自分の価値を広めていくことで、個人で生きていくことができるキャリアパスを実現できる可能性が高くなります。SNSの世界では、個人の希少性、つまり、専門性がはっきりしている人材は価値が高くなり、それを世の中に受け入れられやすい形でPR出来るマーケティングに関する能力が必要になってきます。このマーケッティングに関する能力は、世の中の事を広く知ることが前提となってきます。このような人材は、まさに、T字型人材だと言えるのではないでしょうか。

 

コロナショックにより世の中が変わるのでT字型人材を目指すのもよい

 

コロナショックにより、インターネットを活用したリモート環境を利用するノウハウを多数の人が身に着けたので、インターネット上でサービスを提供する形態の仕事がより多くなる土壌が出来ました。

 

その為、今後、社会の動向を見極める必要がありますが、リモートでの副業などの場面では、T字型人材の人に大きなチャンスがあると思います。

 

企業が終身雇用の形態をとることが不可能になり、年金も大きく減額される可能性が非常に高いので、定年までの勤務ではなく、一生働く時代になったと思った方がよいですが、そのような場合もT字型人材の方が有利です。

 

最初は、企業でのキャリアを通して専門性を身に着けることになると思いますが、その後は、自分の専門性を高めることに主眼をおき、その上で、副業、フリーランス、独立などで、その専門性を武器にしていく生き方が広がっていくように思います。