アイデアを出すこと=知識のインプット(調査)ではない
良くありがちな間違いとして、知識の大量インプットをすることが、アイデアの発想に繋がるという考え方です。知識というのは、他の人が研究や実践を行った結果のアウトプットなので、それを学ぶだけでは、当然ながら新しい発想は出てきません。自分がアイデアを出すことが苦手だと思う人は、その点を少し疑ってみるとよいかもしれません。
新しいアイデアは、例えば、散歩をしていたり、部屋の片づけをしていたり、あるいは、ニュース番組を見ていたりするなど、机の前で考えている時以外で思いつくことが多いですが、ある意味、科学反応のようなものです。何かしらの刺激を元に、それまでに学んだ知識や経験が科学反応を起こして、新しいアウトプットが出ているものです。
研究の世界だと、研究の初期の頃は、新しいアイデアを出すために、あてずっぽうのアイデアを含めて、沢山の小さなアイデアの種を出して行く作業を行いますが、通常のビジネスの世界では、そのようなことはあまり行わないと思います。もちろん、日々の生活の中でも、そうだと思います。
しかしながら、新しい事業やサービスを創出するというような場合には、そのようなことを沢山行うことがあると思います。そのようなことを今まで経験してこなかった人にとっては、アイデアの種を考えることすら大変なことだと思います。
試しに10個くらいのアイデアの種を考えて見る
アイデアの種を何も見ずして沢山出せる人は、ほとんどいないでしょう。大抵は、新聞やニュース、書籍、インターネットの記事を参考にしながら、ある問題を解決したり改善したりする方法を考えることになると思います。このような作業をした経験がないと、1つ思いつくことも非常に難しいです。自分では、新しいアイデアだと思っても、大抵は、既に世の中に出回っており実現されてしまっているアイデアです。
通常のビジネスの場合は、そのようなアイデアでも効果が高ければ、それで良いと思いますが、新規の事業やサービスと考えると、後発になってしまうので、同じことをそのまま行っても、日の目を見る可能性は小さくなってしまうと思います。
その為、例えば、大手企業では採算が合わないので取り組まないけれども、小さな企業でコストをかけずに行えば、十分に採算がとれるというようなニッチの領域のものを考えて見るというように、考える視点を少し限定させてみると、アイデアが出やすくなってきます。領域を限定させると、具体性が高くなるので、精度の高いアイデアの発想が行えるようになってきます。このあたりは、アイデアの出し方ですので、色々な書籍で勉強してみて、ツールとして使えそうなものを使ってみるのもよいでしょう。
知識をインプットしながら、並行してアイデアを出す作業は、ある意味、矛盾の中であれこれ考える作業なので、苦しさも伴いますが、アイデアの種のようなものが出せるようになってくると、その作業自体も面白く感じるようになってきます。
これは、既存のビジネスの中でも活用できる能力なので、是非、取り組んで頂ければと思います。