自分に自信がない人は自己肯定感がないので肯定してあげることがよい
結論から言うと自己肯定感の低い人は、それまでの人生で自分なりに頑張ってきた人が非常に多いです。常にレベルアップを目指して努力を惜しまない人が多いので、「自信がない」のは、頑張ってきたことの証明であることを伝えてあげましょう。
特に「ひきこもり」のような状態にある人は、常に頑張ってきたものの、自分が満足できる結果が出なかったために、自己肯定感の非常に低い状態に陥っているので、結果としてそうなっているのでしょう。
そういう状態になって苦しんでいる人に対しては、まず、最初に、頑張ってきたことをほめてあげましょう。それで少し気が楽になっていくと思います。そういってくれる人が一人だけもいることで、少し、頑張れるのです。
その時の声掛けで注意すべきことは、励ましたり、自信を持つように促したりしないことです。このような良かれと思って掛ける言葉の中には、結果的に、相手の自己肯定感を低める結果になってしまうものがあるので注意しましょう。もっというと、声をかけられることでみじめに感じられてしまう場合が多々あるのです。
励ませば励ますほど、相手に寄り添うような言葉を掛ければかけるほど、本人は、みじめな感情を増幅させる場合が多いのです。例えば、「頑張れば君なら出来る」とか、「この場に来てくれてありがとう。」「生きていてくれてありがとう。」などと声をかけることは、声をかけた方はよかれと思っていても、本人にとっては「そのような声をかけて貰う程、自分はダメな人間なのだな。」と感じる人もいるでしょう。逆効果となる場合も多いのです。
逆効果となる場合がある以上、その方法は使わずに、良くなる確率の高い方法で対応をしていくべきだと個人的には思います。
例えば、単なる雑談を楽しくすることでも一時的に色々なことを忘れることができて少し元気になります。もう少し突っ込んだ対応としては、世の中の人は、そう見えなくても、実は自分の居場所がないと感じている人も結構多いのだと教えてあげることで、自分だけじゃないと安心したりすると思います。また、そういう人でも立派に生きて行けることに安心感を持つこともできます。
更には、居場所がないと感じるのは、他の人とは違う独自の視点を持っていることが理由である場合もあり、それはオリジナリティの高い生き方に通じるものなので、むしろ、誇ってよいことだと伝えると非常によいでしょう。同調圧力の高い日本では、1人で行動していることが寂しいことと思う人も多いので、その価値観に自分も染まって、自分のことをみじめと感じる結果、自己肯定感を失っていくのでしょう。
学生時代に、グループでしか行動出来なかった人は、自分で行動することが出来ない場合も多く、自分で意思決定を行って行動するというようなことが出来ない場合もあります。逆に、学生時代に一人でいる事が多かった人は、自分で考えて行動する習慣が出来ているので、社会人になり経験を積むことでしっかりする人も多いと感じます。
そのようなタイプの人と接する上で重要なのは、今の状態の中で褒めることが出来る点を探して褒めてあげて小さな自己肯定感を持てるように誘導し、それを突破口として、次の新しい行動のサイクルを作ってあげることです。何かしら、目に見える結果を自分の力で出せるようなことを探し、その結果を自分の力である程度出せるような状況に誘導していくことが大切なのです。
これは、その人を客観的な視点で観察し、結果としてよい方向に持っていくことが出来る教育者の視点です。主観に基づく感情的対応とは正反対の視点です。
感情的にやさしいと感じられる言葉をかけることが、逆効果を生むことがあることは知っておいた方がよいでしょう。その為、よほどその人と接する時間が長い場合を除き、声掛けは最低限のものにして、自ら肯定感を得られるような環境へ誘導していくのが最良の方法だと、個人的には思っています。
「サポートや支援を行う」という意識で接する場合は、上手く行かなかった時の責任の所在をあいまいにした形になってしまうので、そうではなく、結果として、その人がよい状態になるにはどうしたらよいかという当事者としての考え方で接することが大切なのです。自分が逃げずに結果を出す所まで行うという覚悟を持つと、自ずと、相手のことが良く見えるようになってくると思います。