仕事は最初のうちは義務であるが後に楽しみになることもある
社会人になって仕事を始めた当初は、自分の能力が養成されていないので、基本的に上手くいかないことが多く、そのせいもあって、義務感一杯ではたらいている人が多いと思います。自分が生きていくための基盤を作ることに必死で余裕がなく、仕事は大変でしんどいものだと思っているのだと思います。
自分自信のことを振り返ってみても、とにかく必死で、仕事を面白いと思ったこともほとんどなかったです。特に、残業まみれのシステムエンジニアになったので、「仕事の中で少し寝る。」というハードワークだったので、人間と思えない生活でした。
その後転職して、大学の情報センターで仕事をするようになったのですが、この時は、別の意味で非常に大変な職場でした。この職場には、30代の前半までいたのですが、後半の数年は、大学院にも通っていたので、最初の職場と同じようなハードな生活を送っていました。この時までがいわゆる下積み期間だったように思います。
この頃までの仕事は、実力養成の面が非常に大きかったので、大量のインプットをしながらの仕事でしたので、非常にしんどかったです。そして、自分で企画を立ち上げて、仕事を完結させるという経験を行っていくことで、若干ですが、仕事の楽しみが分かり始めた頃だったと思います。
「仕事がつまらない」、「仕事以外の楽しみがない人生は考えられない」という意見をよく聞きますが、これは、仕事を自分でやり切った経験がなく達成感を得られたことがない場合の意見なのかなと思います。
「仕事」という言葉に、多くの人は給料をセットに考えている場合が多く、生計を立てるためのものなので、楽しいはずがないという思い込みがあるのではないかと思います。もちろん、これがある以上は義務的な面が常に存在するのですが、ある一定の実力が養成されると成果を出す力がついてきますので、そうなってくると、どんな仕事をしても生きていくことは出来ると思えるようになってきますので、余裕が出てきます。
そうすると、仕事の捉え方が変わってくると思いますので、仕事自体が楽しみの対象にだんだんとなってくるのです。そうなってくると、明るいイメージで仕事に向きあうことができるようになり、充実感を持つことが出来るようになってきます。
ビジネスの力を借りると個人レベルのボランティアでは難しいことも実現できる可能性がある
仕事の場合は、個人レベルで行うボランティアとは違って、沢山の人の力を結集することが出来ます。従って、上手く誘導することが出来れば、多くの人の力を活かして、社会貢献を大規模なレベルで行うことが出来るのです。
これは非常に大きな可能性を秘めています。もちろん、個人レベルで行うボランティアも、非常に価値のあることだと思っていますが、ビジネスの力を使うことが出来れば、個人のボランティアでは実現できないことも、実現することができる可能性があるのです。
私は、本質的には、「民間企業の営利活動」も、「社会貢献活動」も、同じものだと考えております。多くの人は、仕事をして対価を得ていかないと生きていくことが出来ないので、民間企業は営利一辺倒だと思い込んでおり、社会貢献活動は、余裕のある範囲で各個人が行うものだという捉え方が多いのだと思います。もちろん、各個人の自由ですので、そういった考え方も否定はしません。
しかしながら、社会貢献を目的としながらも、その一方で営利活動として成り立たせていくことも分野によっては出来るのだと思います。社会起業家と言われる人々は、まさに、そのような考え方で事業をしておられるのだと思いますので、私個人としては、そのような仕事が究極的な仕事なのかなと、今の年齢になって理解が出来るようになってきました。
人間としてのステージが上がるにしたがって、色々なことが見えるようになってくるので、その度に仕事の捉え方が変わり、意味付けも変わってくるのでだと思います。どこまで変わっていくのかを楽しみにしながら、仕事をしていくのも、楽しいことだと思っています。