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プロティアンにおける社会関係資本の蓄積は単なるコネクションの蓄積ではない?

プロティアンのビジネス資本と社会関係資本の関係

 

プロティアンにおけるビジネス資本の蓄積は、自分自身の活動の結果蓄積するものであり、知識やスキル、資格、学歴、職歴などとされている。通常、自分自身のキャリアを考える時には、この部分を重視することが多いと思います。

 

これらのビジネス資本を蓄積するには、多大な努力・活動が必要となるために、しんどい場面も多々出てくると思います。20代~30代前半までの現場担当者で働いている期間に、特に集中的にビジネス資本を蓄積するチャンスも多いので、そこに集中することが後々大きなリターンを得るためには必要なことだと思います。

 

ビジネス資本の蓄積をきちんとせずに、社会関係資本としてのネットワークを広げていっても、興味を持ってくれる人があまり出てこないからだと思います。卓越したパーソナリティや話術などを持っていないごく普通の人の場合(私も含む)は、ビジネス資本をきちんと蓄積していくことで、自分の特徴を際立たせていくことが重要になると思います。

 

ビジネス資本を蓄積して特徴のある人になったあとに、対外的なネットワークである社会資本の蓄積を行っていくと、自分とは異なる特徴をもった人とのコラボレーションが生まれやすいと思います。

 

社会関係資本の蓄積も、単に多くの人と知り合うだけでは、その後の活動に繋がっていかないので、ある程度のビジネス資本の蓄積を前提とするものかなとも思います。もちろん、仕事とは別に興味ある分野でのプライベートのネットワークを広げることはよいと思います。

 

プロティアンでは、仕事とプライベートを区別しないとしていますが、最終的な理想形態だと私も思いますが、社会に出てからすぐにそのような状態にはならない場合が多いと思いますので、マクロ的な大きな流れとして、ビジネス資本の蓄積→社会関係の蓄積という順序を意識しておくとよいかもしれません。ミクロ的な個々の場面では、ビジネス資本の蓄積と社会関係資本の同時的な蓄積、社会関係資本の蓄積→ビジネス資本の蓄積、とうこともあると思いますが、初期段階では、ビジネス資本の蓄積を優先させていく考え方の方がよいと個人的には思います。

 

ビジネス資本の蓄積をせずに社会関係資本の蓄積を志向すると人を利用するコネクションを探すことになりかねない

 

ビジネス資本があまり蓄積されていない状況は、一言でいえば、他の人や組織に貢献できるポイントが少ない状態だと思います。そのような状態では、自分に対して興味を持ってくれる人が少ない状態になると思いますので、社会関係資本を蓄積しても、自分は提供するものがないのに、他の人の力を借りるばかりになることになります。結果的に、他の人を一方的に利用するコネクションを探すばかりになってしまうことになりかねないです。

 

このような状態は、決して自然なことではなく、その関係性は長続きしないと思います。もし、そのような状態でもその関係を長続きするようにしたい場合には、自分で雑用などをすすんで買って出て、その人に対する貢献をしていくことになると思います。

 

若手の時代にチャンスを掴みたいと思っている人の中には、その点を理解して、そのような行動を取ることでチャンスを掴んでいく人もいるようです。これは、単に打算とかいうレベルの低い話ではなく、その人の魅力や実績を素晴らしいと思っている証拠だと思いますので、肯定してよいとは思います。

 

しかしながら、いつまでもビジネス資本を十分に蓄積せずに、そのような事ばかりでは、自分が提供できるものがないままの状態になりかねないので、ビジネス資本を意図的に蓄積して、特徴のある人になっていくことが必要です。

 

ある一定のキャリアを積んだ時点で、世の中から必要とされる人材になっていないと、その先のキャリアは非常に苦しいものになってしまうからです。

 

ビジネス資本の蓄積は、地味で大変な作業を伴うことも多いので、プロティアンの大きな骨組みの部分だけでも、若手時代に学ぶと、ビジネス資本の蓄積の重要性が理解できると思います。そして、ビジネス資本の蓄積が社会関係資本の広がりをもたらす原因となり、自分の活動が社会に広く受け入れられる末広がりの発展のイメージしやすくなるので、非常に良いと思います。

 

変化のスピードも速く自分が進むべき方向性を見失う可能性もある現代において、プロティアンを学ぶことは、人生の羅針盤を持つことにつながると思います。