大学教員が書いた就活・転職活動のお守り

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データ駆動型社会の到来を現場の動きから感じる

中小企業こそ、データサイエンスやAIの活用が重要

 

先日、ある企業の方々と色々な話をしました。独自のビジネスモデルを構築している企業で、既存のパッケージソフトウェアを活用することが難しいとのことで、将来的なロボットによる自動化でビジネスモデルを進化させたいとのことでした。

 

業績が好調なので、余裕のあるうちに投資を行っていけば、実現の可能性も非常に高いと思いました。

 

しかしながら、重要なのは、社内の情報化の意識の底上げと、開発ベンダーに依存せずに、ベンダーを使いこなす情報システムの設計能力の獲得だと思いました。独自のビジネスモデルは、なかなか他には理解されにくので、それを理解している内部の人が、その情報システムの設計を行い、開発ベンダーを使いこなす力をつけることが最重要だということです。

 

多くの企業では、このような視点を持てずに、開発ベンダー主導の情報システム化を行う形になり、情報システムによるシナジー効果を十分に発揮できずにいる場合が非常に多いと思います。

 

その結果、現場の需要に合わずに使いにくいシステムを導入し、運用コストが高く、業務への効果が高くない情報システムを運用することになりがちです。本末転倒なことになっている企業も多くあります。

 

時間はかかると思いますが、そのために必要なことを行っていく必要ががると思います。

 

情報システム部門の地位向上を図る企業が大きく伸びる

 

これまでの企業の多くは、情報システム部門をコスト部門と考えて、相対的に低い評価を行っている場合が多いと思います。口では、情報化の重要性を訴えながらも、実際の評価が追いついていない場合が多いと思います。

 

これは、日本の教育が文系・理系にはっきり分かれており、現場で働く文系社員が理系的なITに対する苦手意識を持って遠ざけていることが大きな要因の一つであると思います。人間だれしも、自分の得意な領域に対する意識は高くなるのですが、苦手な領域に対しては、意識が向かずに、その領域の評価も低くなってしまいます。

 

これは、人間が人間である限り、ある程度仕方がない側面ではありますが、そこを改善することが、これからの10~15年で激変する社会に企業が適応できるかどうかの分岐点になると思います。

 

苦手な領域を自分が先頭になって推進するのは非常に難しいのですが、得意な人に任せて、その人が自由に動ける環境を作ることは誰でも出来るので、それを本気になって推進することが一番重要なことです。

 

その結果として、情報システム部門の社内価値を向上させて、自社にとって必要な情報システムの設計能力を身に着けて、開発ベンダー主導ではなく、開発ベンダーには、実装のみの部分を委託する形にするのです。もっというならば、基本設計だけではなく、一番難易度が高くて逃げ場のない詳細設計を自前で行う必要があるのです。

 

その為には、開発メーカーへのヒアリングをしながらも、新技術の技術調査や簡単なプロトタイプ構築などを自分達で行い、ある一定の技術レベルを自社で保有し、現場の意見を吸い上げながら、自社に最適な設計を追求する必要がります。そして、開発と保守を外部の開発ベンダーに委託する形に必要があります。

 

現時点では、データサイエンスやAIの活用が必須なので、その技術を自分でもある程度理解して使える水準にはなる必要があると思います。