状況の思わしくない時の不安感に負けないことが大切
状況が思わしくない時には、「これ以上悪化しないように余計なことはしない。」という思考に陥りがちですが、あまりよくない考え方であると思います。もちろん、不安な気持ちで回りが見えない状態で行動していくことは、傷口を広げることに繋がる可能性があるので避けた方がよいとは思いますが、冷静さを取り戻した後に、守りの姿勢に終始することは、じり貧の状況になっていくだけなので、これも避けた方がよいです。
状況悪化の原因と思われる仮説を探り出し、その仮説を検証しながら行動に移していくことで、確率高くよい結果を導き出せるようになってくると思います。これは、自分の不安な感情に逆行する考え方・行動様式なので、なかなか難しいのですが、これが出来るようになることが、より良い人生を創出することに繋がっていきます。
人に指導する際も、この人間の感情に負けない行動様式の大切さを重視する必要があります。キャリアが浅くストレス耐性やリスクへの対処法を身につけていない若い年代の場合には、このような根本的な点ではなく、スキルのような即効性の高い部分を重視しがちではありますが、身に着けたスキルを発揮するベースの部分で、このような行動様式をとることができないと成果に結びつけることはできません。
通常は、会社の上司にあたる人が、その部分を引き受けコントロールする形となりますが、いつまでたってもそれでは進歩がありません。自分自身をまずコントロールし、それが出来るようになったら、他の人に対する指導を行う際にも出来るようになっていく必要があります。「感情に負けない理性的な判断・行動」をあらゆる場面で出来るようにする必要があります。
状況の思わしくない時にしか、なかなか人は変わらない
人は上手く行っている時は、そのままでOKと思い込み、変化することを避けがちになります。特に、フォローワーの方々の場合は、その傾向が非常に強いです。逆に、状況か思わしくない時には切羽詰まってくるので、変化する方向を指し示すことで、変化していく可能性があります。
常に、変化し続ける人生を歩むチャレンジ人材の方は、その方向を指し示すことができるので、そういったタイプの方が重要になります。変化することが、まるで習慣のようになっているので、トライ&エラーの経験が豊富であり、仮説をいくつも導きだすことが出来るので、それを順番に試していくことで活路が開かれる可能性が高いです。これを机上の理論ではなく具体的な経験として常に実践している人は、人数としては非常に少ないので、そういった人を活かすことが大切になってきます。安定を求めると不安定になり、不安定な状況の中で試行錯誤することで安定に繋がることを知っている人です。
安定した組織に属したいと考える人は、他の人が不安定な状況の中で作り出した安定の中で庇護されている状況でありたいということであるので、その分、多くの労働力を比較的安い賃金で提供するということなのです。この構図をよく理解することで、自分の立ち位置をよく理解し、自分のステージを上げていく過程で、不安定な状況の中で試行錯誤しながら成果を出して行くことが出来る人材に移行していく方向に進んでいくということになります。
状況の思わしくない時には、自分を変えるチャンスであり、ステップアップへの最初のドアであるということを理解できると、「ピンチはチャンス」を地で行くことが出来るようになっていきます。