大学教員が書いた就活・転職活動のお守り

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DXは必ずしもAIを使った自動化ではなくてもよい

DXという言葉に踊らされない方がよい

 

DXというと、データサイエンス(統計学)とそれを実現するAIにばかり焦点があたっていますが、それが、全てという訳ではありません。IT関連のベンダーにとっては、インパクトがあり、商談に繋がりやすいので、それを前面に出しておりのですが、各事業会社の情報システム部門としては、そこに踊らされない方がよいと思います。

 

データ活用をする前提として、これまでの通常の情報システムの整備がきちんと行われているかどうかをきちんと考えた方がよいです。その整備が不十分と判断できる場合には、その整備を最優先にすることが先決だと思います。

 

そうすれば、AIを導入することなくとも、全社の生産性の向上につなげられると思います。AIを導入することは目的ではなく、あくまで手段なので、AIを導入せずに生産性を向上させる余地がある場合には、まず、そちらをやってから、AIの導入を検討する方が、伸びしろを潰さずに済むのだと思います。

 

全社の情報システム整備をきちんと行う過程で、データ分析したいテーマを考えていくこともできるので、よくわからずにやみくもにデータ分析ばかりを行っても成果が出ない可能性があります。

 

中小企業はAIの活用が今後の生き残り戦略となる

 

その一方で、中小企業にとっては、AIの活用が今後の生き残り戦略になる可能性も高いと思います。大企業は、すでにAIの活用を試行錯誤して資本を投下していますが、中小企業にとっては、失敗を許容することが出来ない場合もあるので、資本投下に慎重になっている所も多いのではないかと思います。

 

AIの活用は、そのような余裕のない中小企業こそ、実は、実施していく必要があるのです。会社の経費の中で一番高額になるのが人件費なので、そこを恒久的に大幅に引き下げることが可能になる可能性が高く、余裕のない中小企業程、効果が高くなるともいえるのです。

 

工場などで大量生産を行う場合、ロボットと人間では、圧倒的にロボットの方が生産性と耐久力も高いし、長期間稼働すれば、費用も大幅に低減されるのです。大企業の方では、ロボットの導入も当たり前のように行われているので、今後、それが更に加速すると、外部に委託発注することなく、大部分を内部で生産することが可能になるかもしれません。特別なノウハウが必要なもののみ、外部発注すればよいことになる可能性もあります。

 

また、同業の中小企業間の競争という観点で考えてみると、AIロボットによる自動化を行える企業とそうでなない企業では、コスト競争力が圧倒的に違ってくるので、コスト競争力がない企業が市場から退出していくことになり、数少ない企業が生き残り、寡占的な状態になるので、そこまで持ちこたえることが出来れば、その後の一定期間は、安定的に存続できる可能性はあります。その間に、別の事業の柱を作っていくことも可能になると思います。

 

余裕のない中で如何にAIの活用を進めていくかが、中小企業にとっては、今後の生命線となってくるでしょう。