複数の事を同時並列で行う科学反応が起きる
1つのことをコツコツとやることは、非常に重要なことだと思います。特に、新しいことを始める場合は、このプロセスは必須です。逃げ場がないので、途中に諦めてしまったり、しんどくてやめてしまったりしたくことも多々あると思います。
しかしながら、このプロセスを経ずして長期的な発展が望める訳ではないので、出来るだけ短期間で済むように、集中して積み上げを行うことがよいと思います。
しかしながら、一通り経験した後は、積み上げを継続しながらも、少し違う分野のことにも、トライしていった方がよいです。これは、一つには、同じことばかりを行っていると惰性になってしまい、身が入らなくなってしまうからです。気分転換になるということです。
それ以外には、新しい分野にトライすることで、それまでに集中してきた分野を補強する結果になる、あるいは、相乗効果を期待できる場合もあるということです。例えば、私の自身の事を例にとってみると、最初は、システムエンジニアとして技術力を磨いてきましたが、その次のステップで情報分野の大学教員になることで、学生に教える専門知識の深堀を行う機会になったり、教えることで、他の人に対する説明能力を磨くこともできました。
同じ情報の領域ではありますが、立場が違うと獲得できる能力も異なる為、ずっとエンジニアであったり、ずっと教員であったりするよりも、付加価値を出しやすくなっています。
大学の教員の立場だと、色々なことが自分の裁量で出来るので、例えば、研究の領域でデータサイエンスやAIの知識を習得するのと並行して、その知識を中小企業へのコンサルティングやデータ分析人材の育成などに転用することも出来ます。同時並列で行うことで、飛躍的にモティベーションが上がるので、自分でも驚く程のパワーが出てくることになります。
また、更には、そのあたりのこれまでにはなかった新しい取り組みを、大学院での研究としてブラッシュアップしたり、そこで出会うであろう人々との交流によって、新たなチャンスを掴むことへ結び付けていくことも可能になると思います。
これだけのことをやろうとすると、単純に積み上げていくと、物理的に無理という判断をすることになるかもしれないですが、これまでの莫大な量の活動経験の中では、相互に転用できる部分もあるので、実は、それ程ではなく、むしろ、モティベーションの大幅な向上により、楽にできてしまう可能性もあるということが分かるのです。
例えば、上記のコンサルティングや従業員教育は、これまでの経験をフルに活用できるので自分にしかできない領域のことでもありますし、その中で独自の手法を模索して、それを大学院での研究対象として詰めていき、発表などを通じて多くの人からのフィードバックを得る機会を得て、コンサルティングや従業員教育をフィードバックして新機軸を出していくことができます。この良い循環を回すことも可能となります。
また、それらの実績を元に、講演などの活動も可能になってくると思っています。これらの活動は、別々の活動というよりは、大元はひとつの根っこの活動なので、行ってみると、恐らくは、相乗効果を得られる場面が沢山発生することになってくるのです。
これらの活動に費やす工数を単純に積み上げてしまうと、寝る暇が無くなってしまうのですが、これまでの経験に照らし合わせると、そうはならないと思います。
こういった正のスパイラルを回していく仕組みを構築していくと、成果が急激に高いものになっていき、ある程度回してしまったとは、あとは、慣性の法則で、力を使わずに回っていくものなのです。
最初の積み上げを行った後は、それをトリガーにして、活動領域を広くすることで、急激な発展を望むことが出来るのです。
皆さんにも、恐らく、これまでのキャリアを振り返ってみると、その種となるものがきっとあると思います。