大学教員が書いた就活・転職活動のお守り

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本当の意味のワークライフバランスは価値の高い成果を生み出すことができて初めて成立する

若い時代にワークライフバランスを追求する思考は後悔を生むかもしれない

 

ワークライフバランスという言葉が広まってきていおりますが、実力が十分についていない段階でワークライフバランスを追求すると、単に仕事量を減らすだけの結果になってしまう可能性があります。

 

実力が十分についていない段階では、いわゆる作業中心の活動になっている場合が多く、自ら仕事を生み出して収益を発生させて組織に貢献するレベルには達していないと思います。この段階で、ワークライフバランスの概念を優先させると、作業量を減らすだけの結果になり、誰にでも出来る仕事に関して、量だけを減らすという結果になります。

 

この状態は大きな危険性をはらんでいます。年齢が高くなると、年功序列の色彩の強い組織では自動的に給料も上がってくるので、年収は高いけれどもいつまでも入社数年の社員がしている仕事をしているという状態になります。組織全体の業績が良い場合には、この状態でも問題が表面化しない場合もありますが、業績が継続的に悪くなっていった場合には、リストラという形で問題が表面化します。

 

また、作業中心の仕事ばかりしていると、組織に対して新しい価値をもたらす仕事をする能力が身につかないので、いつまでもやりがいのある仕事が出来るようにはなっていきません。仕事は、単にお金を稼ぐだけのものではありませんので、自分の人生に後悔することにも繋がります。

 

この点について、よく考えておく必要があります。

 

ワークライフバランスはワークを義務と捉えてしまう場合がある

 

自分の能力が低い段階で、ワークワークライフバランスと言い出す根底には、ワーク、つまり、仕事が単なるお金を稼ぐ手段であるという価値観がある場合が多いのではないかと思います。ワークが義務的でつまらないので、ライフを充実させようという発想です。

 

このような生き方を否定するつもりはありませんが、ワークで良い結果を出せずに、本当にライフを充実させることができるのかを考えると、個人的には、少し疑問を持っています。

 

また、初めからワークで良い結果を出せる人などいないため、最初からワークもライフも充実させながら、バランスを取っていける人もいません。

 

やはり、ある一定期間は、ワークに時間と労力を集中的に費やし、ライフの充実を少しだけにするという時期が必要であると思っています。そのような形で、ワークの能力が向上して成果を出せるようになってくると、ワークの時間を少なくすることも可能になり、ライフを充実させる時間も生み出せるようになっていきます。

 

また、ワーク自体が楽しみにもなってきますので、段々とワークとライフを分ける必要もなくなっていきます。このあたりは、実際に体験してみないと本当の所は分からないと思いますが、実績を残した人たちは、皆さん、このような事を言っています。

 

私自身、若い時代には、キャリアを積んで行くにしたがって責任だけが重くなっていくので、つまらない人生になっていくのではないかと思ったこともありますが、成果を生み出せる能力・人間力を身につけることができるようになると、そうではなかったことに気がつきました。

 

若い世代の皆さんには、ライフを犠牲にするとまでは言いませんが、ワークに集中的に時間と労力を割き、個人の娯楽費用の中から少しだけのお金を捻出して本を読み、自分の知らない世界や概念を知っていくことを行っていくことで、キャリアを積む度に、人生を良い方向に向けていけるようになってくるとお伝えしたいです。

 

ワークを充実させた後、少し遅れてライフも充実してくる。このような流れになるのが自然なのではないでしょうか。もちろん、集中的にワークを行う場面でも、工夫次第では、ライフを楽しむことは出来ると思います。ただ、時間の制約が発生するということですね。