出来るだけ決断しない方がよいと思います
世の中の常識とは違って、私は、「決断する」ということに対しては、どうしてもせざるを得ない時だけにするものだという認識があります。もう少し突っ込んだ表現をすると、決断するようなやり方ではなく、決断しないで済むやり方を取った方がよいと思っています。
決断する時には、今の状況から別の状況に一足飛びに変えてしまうようなことになると思います。例えば、会社をいきなり辞めて、起業するといような話です。分かりやすいですが、非常に安易な発想だと思います。
表現が難しいですが、起業するという意思があるのでしたら、在職中に副業として起業すれば良いと思いますし、副業禁止の規定がある場合は、起業するテーマのサービスを無料で実施してノウハウの蓄積と反響の確認などを行うことなど事前に出来ることはあると思います。場合によっては、副業が可能な会社に転職することも考えても良いと思います。そのような形でリスクを減らすための活動を在職中に実施することで、決断の度合いを出来るだけ減らして、判断に近いところまで持っていくことは出来ると思います。
ここで協調しておきたいのは、決断は、期限や置かれた状況の中で、出来る限りぎりぎりまで調査や試行を行って、可能な限りのリスクを減らした形で行うべきものだということです。この努力をせずに、いきなり決断するというようなやり方をしていては、一時成功したとしても、いずれ失敗してしまう可能性が高いと思います。
リスクを取ることが成功に繋がるわけではなく、成功を目指す場合にはリスクが出てくるのであり、そのリスクは出来るだけ回避する方がよいに決まっています。世の中には、リスクを取ることを褒めたたえるような意見等が出回っていることも承知していますが、リスクはない方がよいに決まっています。どうしてもリスク避けられない時に、そのリスクを負ってでも実現したいものがある場合に、そのリスクを取っていくということになるのだと思います。
決断ばかりの人生は手間暇を惜しんでいるだけかもしれません
必ずそうだとは言いませんが、決断ばかりの人生は怠慢であるのかもしれません。もちろん、自分の責任以外の状況によって仕方がない場合もあるとは思いますので、その場合は、ここでの話から除外します。
ここでは、自分の身が自由で制約もほとんどなにもない場合の話になります。もちろん、養うべき家族がいることは、制約ではありません。
私は、自分が自由で制約がない場合は、リスクを極力減らすことで基本的には何でもできると考えています。前述したように、用意周到に事前準備(調査や試行)をきちんとして、仮に失敗したとしても、回復不可能な状況にならなければ、全く問題ないと考えています。
このように考えていますので、決断を頻繁にするという状況は、ほとんどあり得ないのではないかと考えています。もし、前述のような仕方がない状況でなければ、進め方に大きな問題があり、調査や試行を行う手間を省いて、いきなり大がかりに進めていってしまっているという大雑把な姿勢を取っていないか考えてみる必要があると思います。
世の中の風潮として、慎重なことはあまりよくないイメージで捉えられる場面があるとは思いますが、慎重に手間暇を惜しまずに進めていくことが結局は成功率もあがり、良い結果になるのではないかと考えています。
何かしらの分野で成功している人は、表面的には、決断力が合って挑戦的なイメージに見えると思いますが、長期的に成功していっている人には、やはり慎重な面があって、不必要なリスクは出来るだけ回避するようなやり方をしているように思えます。
周囲には決断に見えるかもしれないが、本人にとっては確率の高い判断かもしれません
何事もそうですが、本当情熱を持っている場合は、当事者本人がその物事に対する熱意が一番あって、情報も沢山もっており、深く考えているのだと思います。そのため、周囲が知らない大分前からずっと、その物事に関する計画を水面下で進めていると思います。そして、その計画を実行する段階で、周囲の人は、はじめて知るので、いきなり大きな決断をしたように映っているだけかもしれません。
本人には高い確率で成功するだろうという確信があって実行していると思いますが、周囲は、何の情報もないために、突拍子もないことを始めたという認識しか持てずにおり、結果が出ていくと、「決断力があり、実行力も素晴らしい」という風に見えるのだと思います。
しかし、本人からすれば、「あれだけ事前準備して、試行も何度も行ったので、成功して当然だ」と思っているかもしれません。
ここまで色々と書きましたが、「決断」という言葉の持つ格好のよさに惑わされずに、慎重に事をすすめて、出来るだけリスクを回避した状態で、長期的な成功を目指すことが、結局は、最高の結果を出すことに繋がるのではないかと思います。
文章としては非常に面白くない内容かもしれませんが、非常に重要なことなので、今回書かせて頂きました。