人脈とは何か?
人が、「人脈」という言葉を使う時には、その人の中に、自分は何も提供しなくても便宜を図ってもらうことが出来るという意識が見える気がします。これは、少し考えて見れば、虫のいい発想だと気付くと思います。
ある人が何かしらの能力を元に大きな力の基盤を手に入れる際には、それ相応のことを自分で行った結果、そのような状況いなっているのだと思いますが、その力を無償で使わせて貰おうという発想です。例えば、ある人が会社を興して、その業界の中で大きな会社になった時に、全く関係のない人が、その恩恵にあずかろうというような発想です。
個人的には、そのような意識で「人脈」を作る行為は、あまり意味がないと思っています。結局、「無償で人の力を借りる」という発想なので、最終的には誰からも相手にされなくなってしまいます。
それよりも、自分で何か人に誇れる能力を身につけて、その能力を見込んで人が力を仮にきて頂ける状況を作れるようにした方がよいのではないかと思います。
まずは、「自分が何かを提供することが出来るようにする」という所からスタートすると良いのではないかと思います。
人脈は作る必要はない
「人脈を作る」=「無償で人の力を借りる」ということだと思いますので、結局、人脈作りで集めた名刺などは何の役にも立たないと思います。上手く立ち回って、そのような人脈を使って、ある一瞬だけ成功することもあるかもしれませんが、自分は何も提供せずにメリットだけを得る姿勢では、長期的な成功は難しいと思います。
基本は、まず、自分が「有用な何かを提供できる」ようになることが必要なのです。その何かは、キャリアを重ねた人が大勢いる中での「何か」なので、それを提供できるようになるためには、そう簡単なことではありません。それがいわゆる下積みの期間なので、この時期は目立った成果を残せずに大変な思いばかりすることも多いと思います。
この期間を乗り切るのは、その仕事自体に興味が持てるかどうかが一番大切だと思います。試行錯誤・創意工夫をする楽しみをこの期間に見出すことが出来れば、その仕事を長く続けることも出来ますし、そのような姿勢で沢山の仕事を行っていけば、飛躍的に能力が向上して、実績を残せるようになってきます。
実績を残すことが出来るようになれば、自分の話を聞いてくれる人も増えてきますので、人脈を作る行為をしなくても、必要な時に必要な人を探すことも出来るようになってきます。自分に価値が何もないような状況で人脈作りに時間と工数をかけても、単に名刺の数が増えるだけです。
最初の実績を残すことが非常に重要です
世の中というのは、その分野で既に実績を上げた人や組織に仕事が集まってくるようになっています。仕事をお願いする方としては、その方が安心できるからです。実績のない人にお願いするのは、どうしても実績のある人が見つからないなどの事情がある場合です。その為、最初の実績を上げるチャンスは非常に少なく、数少ないチャンスをものにしていく発想と行動力が必要になってきます。何事も、0から1に変える部分が一番大変なことなので、この部分を何とかして乗り越える必要があります。
最初の実績を残すことが出来れば、その実績を掲げて宣伝を行うことが出来ますので、次の仕事を得やすくなります。最初のいくつかの仕事が上手くいけば、実績が実績を呼ぶ状態になってきますので、そこまでが一番大変な期間になります。
個人でも会社でも、この時期がいわゆる下積み期間なので、この時期を上手く乗り越える必要があります。特に、会社に勤めながら副業で会社を立ち上げる場合には、その期間でいくつかの仕事を成功させて、仕事が仕事を呼ぶ状況になるまで頑張って、その後、独立する場合には、すれば良いと思います。
最初の実績を残すチャンスを得るための確実な方法は存在しないため、チャンスにつながる可能性があると感じることには、積極的にチャレンジしてみるという発想が必要だと思います。
人脈という観点の話は、その過程で一緒に仕事をするなどして、結果的に得られるものなので、あえて探すようなものではないと思います。目の前の仕事を完結させるのに自分ではできない部分は人にお願いするしかありませんので、その時に、頼めそうな人を探していくことになります。そのようにして、その仕事をお願いしていく過程で、信頼関係を結び、それが人脈になっていくということだと思います。
人脈はあえて作るものではなく、仕事の過程で得られるものだと思います。