他の人と比べられると嫌な思考
学生時代までは、競争があるといっても、実生活に直接的に多大な影響がでるものではありません。例えば、学校の成績や部活動・クラブ活動の成績など程度のため、成績がよくないからといって、生活が出来なくなるとかではありません。
その為、本当の意味でシビアに他の人と比較された経験があまりないと言えます。比較された経験があまりないので、比較されて自分が劣る点を自覚することがあまりないと思います。もっと言うと、そういったことから目を背けてしまっても、困らない時代が学生時代だといえると思います。
その為、直接的に誰かと比較されると、猛烈な悪感情や思考が出てくるのだと思います。要するに、比較されることに慣れていないということです。
社会に出ると比較だらけの世界になる
社会に出て働くようになると、比較される場面が急速に増えてきます。営業部門で働く場合には、数字によってあからさまに比較されるでしょうし、その他の部門でも、昇格や査定により、絶え間ない比較がなされます。
比較されて、自分が劣る成果しか出せない場合には、内面的には、落ち込んだり、傷ついたりするでしょう。そこで、どのように考えて・行動するのかが運命の分かれ道となります。嫉妬に駆られて他の人の足を引っ張ったりするような言動を取るのか、自分の考えや行動を変えることで自分を成長させる方向に向かっていくのかで、全く正反対の人生になっていくと思います。
ここで大事になってくるのは、悪感情を行動に反映させないようにすることです。例えば、嫉妬のような感情は、自分に自信が持てないことの裏返しの感情でもあると思いますので、自信が持てるようになってこれば、段々と無くなっていくと思います。しかしながら、自信を持てないうちは、どうしても起こってしまう感情なので、その感情に基づいた行動を起こさないことが大切です。
この点は、理性の力によって、つまり、繰り返し自分に意識付けをする必要があります。これは、社会で生きていくにはとても大切なことです。どこかに雇われている立場でも、独立して自分で仕事をするようになっても、多くの人と接しながら仕事をしていくことになります。そういった場面で、感情に負けてしまって、自分で自分をコントロールできないような人に仕事をお願いすることは、非常に大きな不安要素を抱えることになるので、避けられてしまいます。
人としての在り方としての道徳的な意味合いだけではなく、実利的な意味で、どうしても避けなくてはならないことなのです。
自分から他の人と比較できるようになると大きく成長する
自信が全くない状態ですと、他の人と自分を比較すると、自信を失ってしまうかもしれないので、その場合は、周りのことは気にせずに、自分の勉強や仕事に邁進するだけで良いと思います。そうすれば、大抵のことはある程度のレベルまで到達することが出来ます。
すると、自分にも自信が持てるようになるので、他の人のことも冷静に見ることが出来るようになります。そうすると、自分にはない他の人の良い所にも気づくようになり、その点を真似するという発想も出てきます。
そうすると、それまでの自分にはなかった要素を、他の人との比較により取り込めるようになってくるので、成長の速度が飛躍的に高くなります。
こう考えると、他の人との比較も、良い点があるのだと思えると思います。
20代の頃は、まだ自分に自信が持てない場合が多いので、「自分は自分」という思考でも全く問題はないと思います。身に着けるべき基礎的な事柄を沢山身に着けるべき時期だと思いますので、あれこれ考えすぎずに今ある仕事に邁進するのか良いと思います。
しかし、30代に入ってくると、指導的な立場になることも出てくると思いますので、個人的な能力だけはなく、他の人との関係の仕方に関しても沢山学ぶべきことがあると思いますので、そういった点は、他の人の良い点を吸収していくことが一番良いのではないかと思います。
他の人と自分を比較して、他の人の優れた点を学び、自分自身にも取り入れていくような発想で物事を進めていくと非常に発展的な考え方になっていくと思いますし、そのような方向に進んでいくと人生もより好転していくと思います。