人ができる仕事をAIが効率化する
まず、最初に、人ができる仕事をAIが効率化することが考えられますが、AI登場以前に、いわゆる情報システムの登場により、それまで人の手で、紙ベースで行われた仕事が電子化されることで、従来人が行っていた仕事が情報システムの仕事に置き換わっていきました。
その場合、多数の人が手作業で行っていた業務を、一部の人が、その情報システムを利用して行うようになりました。その作業から解放された人は、基本的には、別の仕事を担当するケースが多かったのではないかと思います。(終身雇用の時代でしたので。)
同じことが、AIの普及によって起こってきます。
例えば、銀行などのいわゆる窓口業務のような、会話をして業務処理を行う場面でAIが利用されます。もちろん、AIも万能ではありませんので、AIが出来ない部分は人が対応していくのですが、比較的単純な業務から順次、AIが担当していくことになります。実際、銀行の方でも、試験的に導入し始めている所もあります。
人がAIの利用方法を知って、上手に活用していく必要があります。人が、AIを一つのツールとして使うということになります。
人が不得意・出来ない仕事をAIがカバーする
次に、人が不得意・出来ない仕事をAIがカバーする場合が考えらえますが、これにより、人の能力をAIが補完することになります。守備範囲の広い仕事ができるようになり、仕事のレベルも向上します。
例えば、分かりやすいものとして、AIによる株式売買、つまり、トレーダー業務があります。専門的なことはよく分かりませんが、人がトレーダーとしての仕事をする場合は、買い付け価格や出来高などの各種の統計情報を見ながら、株式の売買を行うようですが、人が見ることが出来る情報には限りがあります。
その点、AIであれば、瞬時に多種類の統計情報を確認して判断を行い、株式の売買を行うことが出来るようになるようです。人の場合は、情報の収集と判断に時間がかかるので、AIにはかなわない部分があるので、最近では、AIが売買をしているケースが非常に増えてきているようです。
但し、株式相場が大暴落する場合などは、AIも対応が出来ない場合があるので、そういった場合には、人が介入する形になるようです。
つまり、人間よりもAIの方が高い成果を出せる仕事をAIに任せていき、成果の最大化を目指していくという考え方です。AIは、単なるツール以上の位置づけになります。
AIが出来ないことを人がカバーする
AIの中には、事前に人が必要なデータを登録してセットアップを行った後に、AIが業務を行う場合があります。
サポートセンターの業務で、チャット形式で行う場合には、基本的な例文パターンを人がセットアップして、その例文を元に、AIが質問者からの質問に回答していきます。
質問対応回数が多ければ多いほど、AIによる質疑応答の効果で出てくるのですが、事前のセットアップや運用開始後のメンテナンスは人しか行えません。
また、AIで回答が出来ない質問もでてきますので、その場合は、人が対応する形となります。
いずれ、汎用的なAIを搭載した人型ロボットが登場すれば、話が変わってくるのですが、それは、当分実現されないと思いますので、このような協動のスタイルも残ります。
これらの3パターンは、人とAIの協動の形になるので、人がAIの特質をよく理解し、AIが力を発揮できるようにしていくスキルを身につけていく必要があります