大学教員が書いた就活・転職活動のお守り

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「自分のために頑張ること」=「相手のために頑張ること」

仕事は何のためにするのか?

 

 日本においては、通常の場合、大学生の時に就活を行って社会人となり、必ずしも明確に働く意味が分かっていない状態でキャリアをスタートさせます。そこから数年間は、上司から言われることをこなすのに必死で、色々と考える余裕もない。上司の言われたことを、少し余裕を持ってこなせるようになってくると、色々なことを考えるようになってくる・・・。

 

最初の数年間、必死に仕事をこなしている時には、マズローの欲求5段階説の第1~2段階の状態だと考えられます。第1段階は、生理的欲求の段階で、生きていくための基本的・本能的な欲求(食べたい、飲みたい、寝たいなど)のことです。仕事をして、お金を稼ぎ、食事をする、あるいは、寝るなどして、生命を維持していきます。

 

第2段階は、安全欲求の段階で、危機を回避したい、安全・安心な暮らしがしたい(雨風をしのぐ家・健康など)という欲求のことです。最低限の暮らしを確保したいという欲求です。住居を借りて安全な暮らしを実現します。

 

仕事を始めた最初の段階は、自分の能力を開発し、自分が生きていくための基盤を作る時期ですので、「自分のために」頑張っている状態です。多くの人は、このような感じだと思います。

 

疑問が出てきた時が、次のステップへのサイン

 

 しかし、少し余裕が出てくると、自分以外のことが段々と気になってきます。「上司は、何故、このような指示をするのか?」とか、「お客様は、何故、あのような発言をするのか?」という具合にです。

 

そして、それがどんどんと気になってしまい、ストレスを感じたりすることもあるでしょう。そのような現象は、自分が次のステップに行くサインだと思います。

 

その次々に感じたことをそのままにしないで掘り下げて考えてみましょう。例えば、上司の指示が朝令暮改となる場合、部下としては大変な思いをしますが、上司がそのような状態になった原因を推測してみるのです。

 

例えば、「お客様が急に違うことを言い始めた」とか、「家庭で大きな問題があった」とか、色々と原因を推測することが出来ると思います。

 

そして、自分が、その時の上司の立場だったらどうするのかを考えて見るのです。そのようにしてみると、自分の視点だけではない客観的な視点で物事を見ることができるようになってきます。

 

そのような事を繰り返しているうちに、自分が以前の自分とは、異なる考え方・見方をしていることに気が付くでしょう!

 

すると、上司の考え方が分かり、上司にとって必要なことが理解できるので、その必要な事(仕事)の指示を上司から受ける前に、自分の判断で遂行していくことが出来るようになってきます。そのような働き方をすることで、自分が上司の立場になった時の予行演習も出来てしまいます。

 

「自分のための働く」ことを突き詰めていくと、結局、「相手(=上司)のために働く」ことになってしまうのです。

 

「相手のために働く」と、結局、自分に返ってくる

 

今度は、逆に、奉仕の精神が強い人、最近の流行りの言葉では、ホスピタリティが高い人は、自分のことよりも、相手のためになるように働いていきます。

 

その相手の人は、自分のためにあれこれ働いてくれるので、その人の感謝し、何かしらのリターンをお礼の気持ちとしてもたらしてくれるようになります。「人のために働く」と、結局、「自分への評価」として返ってくるのです。

 

もちろん、世の中、そう単純ではありませんので、人のために働いても、その人からのリターンがあるわけではありませんが、また、違うところからのリターンがあるものです。

 

結局、「自分のために頑張ること」は、「相手のために頑張ること」になり、「相手のために頑張ること」は、「自分のために頑張ること」になるのです。

 

この点は、中途半端に頑張っている状態だとなかなか気づかないので、このような考え方(=概念)があるということだけ、知っておいて頂ければと思います。

 

いつの日か、実感を持って、この考え方が理解できる日がくると思いますよ。笑