「サードドア 精神的資産のふやし方」を読んで
この本は、著者(アレックス・バナヤン氏)が、大学1年生の時に、米国の有名なテレビ番組に出場し、賞品の豪華ヨットを手に入れて、それを売ったお金で、ビル・ゲイツのような世界の名だたる成功者から「駆け出しの頃にどのような形で成功のチャンスを掴んだのか」をインタビューし、それを書籍化したものです。
約450ページの非常に分厚い本ですが、展開が早く、すぐに読み切ってしまいました。この本を読んで、学生の皆さんやこれからチャンスを掴みたいというビジネスマンの人たちには、非常に参考になる本だと思いました。
この本には、
「人生においては、3つのドアがあり、1つ目のドアは、誰もが入れる正面の入り口で、そこには、沢山の人が並んでいる。2つ目のドアは、VIP専用入り口で、億万長者や名家に生まれた人だけが利用できる入り口である。そして、3つ目のドアは、1つ目のドアの前に人が並んでいる列を飛び出し、誰も通らない道を通って、何百回もノックしてようやく見つけて入ることが出来るドアがある。」
というような趣旨のことが書いてあります。
三つのドア
まず、1つ目のドアは、就活を経て入社した会社に入ってサラリーマン生活を送るというようなことで、私たちのような多くの人が、まず、このドアに入っていくことになると思います。
2つ目のドアは、生まれながらにして、苦労せずに、後継ぎとして社長になるというような話です。もちろん、そのような人も、私たちのごく普通の人では分からない苦労をしていると思いますので、大変な思いもしていると思います。ここでは、最初のチャンスの掴み方の点で、苦労なくチャンスが掴める人もいるということで、このように書かれているのだと思います。
そして、3つ目のドアは、誰からも与えられる訳ではない「試行錯誤して自分で見つける道」だと思います。分かりやすい例で言えば、起業家の人が当てはまります。自分で考えたビジネスを立ち上げるということです。
そこまで大きな話ではなくても、私たちのようなサラリーマンでも、今までの仕事の経験を元にして、転職などで新しいキャリアを開いていくことも、小さいながらも立派なサードドアだと思います。
三つのスキル・キャリアの掛け合わせでサードドアを見つけることができる
この「小さなサードドア」は、教育改革実践家の藤原和博氏が提唱する「3つのキャリア・スキルの掛け算により、100万人に1人の希少な人材になる」という理論にも共通するような話だと思います。
この理論は、例えば、「英語」「システムエンジニア経験」「トヨタ式の業務改善方式経験」の3つのスキル・キャリアをすべて経験することにより、「海外に向けたトヨタ業務改善方式を実現するための情報システムの開発・コンサルティング」の仕事を作り出すことが出来るというような理論です。
3つのスキル・キャリアを掛け合わせることで作りだす仕事は、他の人では簡単には出来ないようなものになってきます。
一つ一つのスキル・キャリア自体は、現在の世の中では、オリジナリティーのあるスキル・キャリアではなく、汎用的なものですが、この3つを掛け合わせることで、希少価値の高い仕事になると思います。
これらの3つのスキル・キャリアを得るのは「結果」であり、その過程で沢山の試行錯誤を経験しているはずだと思います。その試行錯誤の過程で、これらの3つのスキル・キャリアを明確に意識しながら、自分なりに掘り下げた経験をして、最終的に「海外に向けたトヨタ業務改善方式を実現するための情報システムの開発・コンサルティング」に行きつくとようなお話だと思います。
そして、その先には、既存の企業組織から離れた活躍の場所、「起業」や「フリーランス」などの自分の手で道を開いていくことができる活躍の場所が待っているのかもしれません。
人生100年時代と言われ始めているこの世の中で、会社などの組織で働くサラリーマン生活の先に、定年後にでも良いので、自分らしく活躍場をイメージ出来れば、充実したサラリーマン生活を送ることも出来ると思います。
このような「自分だけの小さなサードドア」は、「自分の天職」である可能性が高いので、すぐに見つけることは出来ないと思いますが、あきらめずに頑張り続ければ、いつの日かきっと見つかると思いますので、その日を楽しみに頑張りましょう!(笑)