産業革命4.0時代の世の中の構造の変化
先日、以下の記事で、今後、世の中の仕組みが大きく変わり、IOT・ビックデータ・AIなどのIT技術を活用したインターネットを介した大きな情報システムの中に各産業が組み込まれる形に変わっていくと説明しました。これは、もう、誰もが止めようもない不可逆的な変化なので、かなりのスピードで変化していくことだと思われます。
その結果として、その大きな情報システムを作り、世の中の仕組みを変化させる側の一部になり得る仕事を探していくことが、特に、文系の人にとっては、非常に重要になってくると思います。営業職や事務職などを中心とする文系職種の多くは、AIの普及により、取って変わられると言われているからです。
IT系の職種には研究開発系職種とフィールド系職種がある。
世の中を変える側の立場の仕事であるIT系職種には、大きく分けて研究開発系職種とフィールド系職種の2つの職種があります。研究開発系職種は、基本的には、理系の人が就く仕事ですので、文系の大学を卒業し、社会人になった後は、文系職種についていたような人が就くことはほとんどありません。大手企業の研究所や大学などで働く職種です。
一方、フィールド系職種は、文系の学部で専門的な勉強をしていなくても就くことが可能なIT系の職種です。フィールド系職種は、お客様に直接接しながら、商品(ソフトウェアや情報システムなど)やサービスを提供する仕事のことです。
文系の人が採用される背景としては、フィールド系職職種が圧倒的に人材の人数が足らないという状況があるため、ある程度の適性があると判断できる文系の人を採用した後に研修による教育や実務の中での育成を通じて、人材育成をしていっているという理由が、まず、最初にあります。
次に、理系人材の場合、一般の世の中の水準と比べて、コミュニケーション能力に難がある人も結構な割合で存在しますので、コミュニケーション能力が高い文系の人の中で、IT技術の適性がある程度ある人が居れば、お客様対応の部分の仕事を担当してもらうのに適任となるという理由もあります。
文系でも出来るフィールド系職種の具体例
フィールド系職種の中で、例えば、システムエンジニアやプログラマーなどの技術職も、ある程度のITに対する適性があれば、文系の人でも十分にできると思います。これらの職種に新卒学生が就く場合には、企業側で教育研修を行うことで対応できるようになります。
システムエンジニアやプログラマー程の技術的な難易度はない職種として、ホームページの作成やデザインを行う仕事も、文系の人も活躍できる仕事です。
それ以外には、例えば、以下のような仕事があります。
・IT企業におけるコールセンターの電話オペレーターの仕事
・一般企業の情報システムの運用を行う仕事
・ソフトウェアなどのマニュアル作成の仕事
・弁理士のような高度な専門職の仕事
これらの仕事は、コミュニケーション能力が高い文系の人が活躍できる仕事です。
また、IT企業においても、営業職は必要ですし、更に上流工程を担当するコンサルタントのような職種もあります。
将来的には、ビックデータを分析して、企業へ新規事業・サービスなどの提案を行うデータサイエンティストや、AIを利用する形でサービスをお客様に提供するような新しい職種が出てくる予想もされています。(下記の書籍)
文系の人ができる仕事を探す上での中心的なキーワードとして、IT技術を使いこなす「ITの利活用」があげられます。その他、探せば色々な仕事が見つかると思います。ここで言う、「IT」という言葉には、新しい技術であるIOTやAIなども、当然ですが、含まれます。
今後、例えば、10~20年という長いスパンで考える場合には、このような大きな考え方の中で、キャリアを考えていく必要があると思います。人生100年時代と言われるようになってきておりますので、20~30歳代に人だけではなく、40歳代以降の人にもいえることだと思います。